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眼瞼痙攣

●眼瞼痙攣blepharospasm (and Meige syndrome)
(概念)眼瞼周囲の筋肉(眼輪筋)の不随意収縮がおこる局所ジストニア。
(症状)
1.まぶたがピクピクする。
2.強く目をつぶると、開けるときにけいれんが起こり、うまく目が開けられない。
3.まぶしく感じる。
4.瞬目回数が多くなる。まばたきがうまくできない。
5.まぶたの不快感。
6.通常は両眼性。しかし、左右差があることも少なくない。
7.上下の筋肉の痙攣はシンクロしにくい。
8.睡眠時は症状改善。
(原因)
1.原因不明。中枢神経系の異常の可能性が指摘されている。
2.薬剤性。抗うつ薬、抗Parkinson病薬、抗不安薬。(たとえば、デパスなど)
(診断)
1.ドライアイなど、他疾患の除外。(フルオレセイン染色、シルマーテスト)
2.瞬目負荷試験(参考:Jankovic分類)
軽瞬テスト(軽く瞬きさせても、強い瞬きしかできない)、
速瞬テスト(速く瞬きさせても瞬きが遅くなったり、できなかったりする)、
強瞬テスト(強く瞬きさせると、目を開ける際に瞼が痙攣したり、遅くなる)などが行われています。なお、この瞬目負荷試験中に口角に不自然な収縮が見られる場合、メージュ(Meige)症候群の疑いが強く、鑑別診断の重要な要素となります。
(治療)
0.薬剤性が疑われる場合は薬剤中止。
1.ボトックス注射(3,4か月おき、第1選択)
2.内服(あまり効きにくいとの報告)
3.眼輪筋切截術
(鑑別疾患)
ドライアイ(点状表層角膜炎、フルオレセインで染めて観察、シルマーテスト)、眼瞼炎、眼精疲労、自律神経失調症、うつ病・うつ状態、眼瞼下垂、チック()、
眼部ミオキミア(症状が数日から数週間でおさまることが多い)、チック、閉瞼失行(開瞼失行)、重症筋無力症、顔面痙攣(とその鑑別疾患)
(リンク)
http://btx-a.jp/kao/index.html
http://blog.livedoor.jp/kiyosawaganka/archives/50085228.html
http://www.blepharospasm.org/

●片側顔面痙攣Hemifacial spasm
(概念)片側の顔面筋が自分は意図していないのにけいれんし続けてしまう病気。
(症状)
1.顔の半分が自分の意思とは関係なく痙攣。
2.ほとんどは片側(顔面痙攣で両側は0.5%以下(Neuroinfo Japan))
3.痙攣はシンクロする。
4.睡眠時も痙攣が起こる。
(原因)脳の深部(頭蓋内)で顔面神経に血管が接触して圧迫することが原因。
神経への圧迫が、血管ではなく、脳動脈瘤や腫瘍が原因のことも稀にある。(頭部MRI)
(診断)
1.問診
眼をぎゅーっとつぶってぱっと開くと、まぶたの下に痙攣が誘発。(Neuroinfo Japan)
口元をいーと引き延ばすような顔をすると、まぶたの下に痙攣が出る。(Neuroinfo Japan)
2.頭部MRI(顔面神経の血管その他による圧迫がないか。)
(治療)
1.ボトックス(3,4ヶ月おき)(2000年以降、健康保険)
(2000人のstudyで、70%-100%に有効であったとの報告あり。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12145388
2.微小血管減圧術Microvascular decompression (MVD)
脳の深部で神経に接触する血管を剥離して移動して、神経への接触をのぞく。
Barker, 1995論文(pubmed/7815147)では手術10年後の時点で84%がほぼ完全に痙攣がおさまり、7%が部分的に改善していた、との報告。
3.内服(抗けいれん薬)は効果は少ないらしい。
新しい内服薬として、ガバペンが最近使われ始めているらしいが、使い方は難しそう。
(23人中16人(70%)に効果があったという報告もあり。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11493229
http://www.pm.med.osaka-u.ac.jp/edrug/pdf/gabapentin.pdf
(鑑別疾患)
眼瞼けいれん、眼部ミオキミア、チック、顔面連合運動
(顔面神経について)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A1%94%E9%9D%A2%E7%A5%9E%E7%B5%8C
(リンク)
http://botox.jp/bs_hfs/bs01.html
http://en.wikipedia.org/wiki/Hemifacial_spasm Hemifacial spasm
http://square.umin.ac.jp/neuroinf/patient/504.html
http://square.umin.ac.jp/takafuji/HFS_QandA.html 片側顔面痙攣の手術(脳神経外科)
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/7815147
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9843077
http://emedicine.medscape.com/article/1170722-overview#showall

●眼部ミオキミアocular myokymia (Eyelid myokymia)
(概念)
筋線維束攣縮の群発により、体表面からさざなみ状の不随意収縮が観察できる。
針筋電図で特有の筋放電パターンが観察できれば、診断は容易。(針筋電図、、、容易、、、)
症状が数日から数週間でおさまることが多い。
しかし、稀に、眼瞼痙攣や片側顔面痙攣の前駆症状として起こることもある。(eMedicine)
(原因)原因不明。コーヒーやアルコール摂取をやめると治ることもある。
(治療)治療は不要のことが多い。ストレスを避ける。
少し怪しいが、
http://www.primehealthchannel.com/myokymia-types-symptoms-causes-and-treatment.html
によると、
1.ストレスを和らげるために、carbamazepine(商品名テグレトール)などの抗不安薬
2.痛みを和らげるために、ボトックス注射をすることもある。
との記述もあり。
(リンク)
http://emedicine.medscape.com/article/1213160-overview#showall
http://www.pm.med.osaka-u.ac.jp/edrug/pdf/carbamazepine.pdf carbamazepineについて

●ボトックスについて
http://botox.jp/botulinus/index.html
http://botox.jp/bs_hfs/index.html
http://glaxosmithkline.co.jp/medical/excl/botox/gaiyo.pdf

●関係ないが、外眼筋の解剖の動画
http://www.youtube.com/watch?v=-9Of3DX3eFU&feature=fvwrel

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